ライター:マーシー
2021.06.18
皆さんは、「人工芝」と聞くとどのようなイメージをお持ちになりますか?手軽に地面や床に敷くことができて便利だけれども、ナイロンなどで作られた無機質なものが定番で、天然芝の代用品としては、正直かなり見劣りする…。そんな印象を抱かれている方が大半ではないかと思います。
福岡県に本社を持つ「人工芝研究カンパニー COOOL」社が独自に開発した商品は、100%天然素材・無害・無公害 の 冷却人工芝 で、これまでの既存商品のイメージを大きく覆す優れもの。オフィス内のスペースや屋上(屋外)にも活用ができる最新の人工芝です。いったいどんなものなのでしょうか。同社の代表取締役社長・濱口光一郎さんに話をお伺いしました。
日本初の冷却人工芝を開発
濱口: 株式会社COOOL(クール)は、2019年に福岡で設立された企業です。2020年8月に、日本初の冷却人工芝である「COOOL TURF」を発売。これまで、個人宅の庭や、企業の屋上・中庭スペースなど、様々な場所で計100件以上の施工を行っています。今年5月には福岡県宗像市にある日本初の人工芝のショールームをオープンさせました。
福岡県宗像市にある本社兼ショールーム
また、今月6月10日には、日本のリゾート地の需要が見込まれる沖縄(糸満市)に、COOOL初の直営店がオープンとなりました。台風時に吹き飛ばされない埋込み式だから、沖縄にも進出できるとのこと。
冷却機能を持つ「寒土(KANDO)」を活用したハイスペック人工芝
濱口:然芝は、文字通り天然のものであるため、肌触りも見た目も素晴らしいです。ただ、手入れが非常に大変。少しでも放っておくと芝が伸び放題になり、さらに地球温暖化の現代においては、表面が高温になり芝が完全に焼けてしまうなど、芝そのものを育てることは非常に困難です。
一方の人工芝は、そうした劣化の問題は天然芝に比べて少ないものの、見た目については天然芝と同様に素晴らしいとは言い難く、さらに直射日光に照らされ続けると表面が非常に高温になり、その上で裸足になることは難しくなる、という問題があります。加えて、従来の人工芝の上で比較的激しめの運動を行うと、膝を痛めてしまうなど身体への衝撃の問題がありました。
そうした点を徹底分析して開発された「COOOL TURF」の人工芝の中には、石灰石の冷却機能を活用した「寒土(KANDO)」と呼ばれる冷却用の土が入っています。人工芝の底面に特殊な土を入れることで、従来のゴムチップなどが入ったものと比較すると、約マイナス20度の表面温度を確保することが可能となりました。
さらにこの土のおかげで、弾力性も飛躍的に高まりました。天然芝同様のクッション性が確保されています。
ちなみに、2020年12月に、スペイン出身のプロサッカー選手であるイニエスタ氏が、自分の子どもたちへのクリスマスプレゼントとして、自宅のバルコニーを「COOOL TURF」に張り替えられました。ボールを蹴った時の質感が、天然の芝とそん色が無い点を気に入っていただけたようです。
冷却土「寒土(KANDO)」が入ったオリジナル人工芝
自宅バルコニーに「COOOL TURF」を導入したイニエスタ氏
石灰石による抗菌・消臭効果も期待
濱口: さらに「COOOL TURF」は、冬には暖かく、夏には涼しいという特徴も持ちます。「寒土(KANDO)」の中には、10%程度白い砂が混ざっています。これは石灰石で、抗菌・消臭作用もあります。余談ですが、古代の王様の浴槽などには、ウイルスなどから身を守るために、石灰石が使われていました。
石灰石は抗菌以外に、消臭効果もあることから、食べ物をこぼしても、手入れが楽です。企業の屋上緑化としての活用にも向いています。そして、再利用可能な天然の土を活用していることから、SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」という目標にダイレクトにつながります。
SDGs 目標15 陸の豊かさを守ろう
屋内外スペースの有効活用で従業員のコミュニケーションを活性化
濱口:「COOOL TURF」を有効活用することで、屋外スペースでのコミュニケーションの場を容易に構築することも可能にもなります。テレワークが強く推奨される今のご時世で、従業員同士の距離が、物理的にも精神的にも大きく開いてしまい、働く場での上質なコミュニケーションを取ることが非常に難しくなりました。ですが、オフィスの屋上やバルコニーなどにちょっとしたスペースがあれば、そこに「COOOL TURF」を導入し、人が快適に集う空間を設けることで、良質なコミュニケーションの場をもたらすことが可能となります。
快適な人工芝の上で、昼休みにお弁当を食べたり、緑が豊かな空間で仕事をしたりできれば、従業員満足度の向上にもつながります。
「COOOL TURF」は、オフィスの屋外だけではなく、屋内にも導入することができます。当社の本社兼ショールームも、屋内で活用しています。その場合は、土は入れず、芝生部分のみを活用します。屋内に大量の緑があると、リラックス効果が高まり、生産性向上にも貢献します。
オフィスの屋外のちょっとしたスペースを緑の仕事場に
「水との共存」が従業員のストレス抑制につながる
濱口:「COOOL TURF」のポイントは「水」にあります。これまでの建築材料は、水分が苦手な素材が多く、その特性から「水と戦う・水を嫌う」という表現が業界内で使われて来ました。ですが本来は、人間は水と共存し、水を循環させることが必要で、それはつまり「水と共に生きる」ことを意味します。
「COOOL TURF」は、『寒土』KANDOが水を保湿することで、静電気の発生を抑えることも可能になります
私たちは、日々体に静電気を帯びて生活をしている状態です。静電気は体に溜まり続けるとストレスの原因となり、体調不良のきっかけとなると言われています。ストレス発散のために必要な静電気の放出を、「COOOL TURF」はサポートしてくれます。従業員の健康管理や福利厚生としても活用可能です。水と共に生きることで、我々は多くのメリットを享受できるのです。
最近は企業のSDGs の取り組みの一環として、「COOOL TURF」が採用されることが増えて来ています。緑の豊かさや、天然の素材、土・水との共存による新たなライフスタイルを、より多くの方々に実感していただけたらと思います。
* * *
取材を終えて
人工芝のイメージを大きく覆す「COOOL TURF」。福岡本社兼ショールームには、緑溢れる素敵な空間が一面に広がっていました。同商品は、10,000~12,000円で販売されているそうです。そして施工作業を、自社の従業員の方にお手伝いいただければ、人数あたり1万円のお値引きがあるとのこと。これは、天然の土を敷設する楽しさを味わっていただき、SDGsの目標15「陸の豊かさも守ろう」を実際に体感いただきたいという同社の思いが込められています。長引くコロナ禍で、新たな働く場づくりにもより一層の工夫が必要となってきています。最新の人工芝をうまく取りこみながら、SDG'sの推進にもつながる一歩を刻んでみてはいかがでしょうか。
INFORMATION | ■ 株式会社 COOOL(クール) 所在地:福岡県宗像市深田582−1 世界遺産 宗像大社横 代表取締役社長 濱口 光一郎 様 ■ お問い合わせ 株式会社 COOOL 広報 担当 :加藤 様 電話:080-7653-0862 / FAX: 03-6368-3304 / Mail: j-ana@koho.pro |
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ライタープロフィール
2019年入社。金融・不動産・製薬などで総務業務に長年従事。オフィス好きが高じて、プライベートでも独自のオフィスツアーを企画するなど、オフィス訪問がライフワークとなっている。週末などに非営利分野の活動も精力的にこなしている。強くないのにお酒好き(焼酎派)。
ライタープロフィール
2019年入社。金融・不動産・製薬などで総務業務に長年従事。オフィス好きが高じて、プライベートでも独自のオフィスツアーを企画するなど、オフィス訪問がライフワークとなっている。週末などに非営利分野の活動も精力的にこなしている。強くないのにお酒好き(焼酎派)。
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